大吉原展

上野の芸大美術館で開催中のこの企画展に行って来ました。季節は24節気の晴明を迎え、頑なに咲かなかった桜がパーっと開き、上野の杜は沢山の花見客で賑わって居ました。画像は護国院の桜ですが見事でした。f:id:kaccinster:20240405053216j:image この企画展は2月に発表されるや否やネットで批判が溢れましたが、私は違った感情を持って居ました。f:id:kaccinster:20240405061801j:image 批判の主な物は「性的搾取の負を歴史を無視・軽視し、売買春の舞台となった吉原をはじめとする遊廓を美化するものだ」ですが、短絡的に批判するよりしっかり歴史的遺産でありながら、悪所を語らずでベールに包む事に反対の立場です。私自身は15年前に自転車でふらりと迷い込んだこの街に興味を覚え爾来、古地図と現在を比較したり江戸の様々な文化を知るきっかけとなった場所です。下町ポター吉原大門ー - Kaccinのひとり言  結局、開催が決まりましたがポスターも批判を意識してモダンなイメージと共にアートを全面に打ち出して居ました。f:id:kaccinster:20240405065032j:image 館内は吉原の区割りに即して展示され2フロアーで4セクションです。現在の吉原も江戸時代も区割り変わって居ません、↓は古地図です、右側中央が大門(おおもん)で周囲はお歯黒堀(幅5m)に囲まれた形は現在も全く同じです。。大きさは横が約330m、奥行きが約250m弱の四角い形で文字通り「郭」=囲まれた場所だったのです。 f:id:kaccinster:20240405065407j:image 現在の地図を↓に貼りますが区割りが江戸時代から全く変わって居ない事に驚かされます。f:id:kaccinster:20240405121222j:image 館内はごく一部を除いて写真撮影禁止でした。これから使用する画像はネットで展開されて居る物です。展示は膨大な量の浮世絵がベースで、それに解説がつく形です。ただ展示物の過半が大英博物館の収蔵品で有る事には驚くと共に哀しかったです。まず入り口の大門風景です。f:id:kaccinster:20240405070037j:image どの画像も興味深く丁寧に解説を読みながら進みます。f:id:kaccinster:20240405070513j:image 目を凝らしながら絵の隅々まで見ましたが興味が尽きません。f:id:kaccinster:20240405070718j:image 唯一、花魁を描いた洋画です。f:id:kaccinster:20240405070802j:image 浮世絵や日本画は、これでもかって言うぐらいに精緻に書かれて居るのと洋画は大違いでした。17時閉館で、あっという間の2時間でした。出口の手前に巨大模型が展示されて居て、こちらは唯一撮影Okでした。f:id:kaccinster:20240405071332j:image
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f:id:kaccinster:20240405071339j:image 模型も見事でしたが人形も手の込んだ物でした。f:id:kaccinster:20240405071519j:image
f:id:kaccinster:20240405071515j:image 実に楽しい展示でした。帰りは上野公園の夜桜を愛で湯島まで歩き駅前の亀戸ホルモン青木で舌鼓を打って帰路に着きました。