銀座線 田原町駅

銀座線のG18田原町駅を使うと、必ず思い出す事が有ります。学生の時に読んだ荒俣宏の小説です。f:id:kaccinster:20240416214235j:image 博物学や神秘世界に博識な荒俣宏らしい幻想的なストーリーの小説『帝都物語』です。その中で1927年(昭和2年)に浅草-上野で東洋で初の地下鉄開通が大きく取りあげられて居ました。f:id:kaccinster:20240416214324j:image 話の骨子は東京にははるか昔に処刑された平将門の怨霊が眠っており、帝都は将門の怨念が封印されている巨大な霊場でもあると陰陽師が澁澤栄一に語り、その霊を邪悪に使う一派との闘いを描いています。その中で、この浅草ー上野の工事は東京の気が抜けるところに穴を掘るので工場現場では様々なトラブルや式神が暴れる話が出て来るのを思い出します。f:id:kaccinster:20240416214401j:image 今日も駅のホームにこんな看板が有りました。f:id:kaccinster:20240416214500j:imageこんな事が書いてありました。

  田原町駅芸能紋について

この駅内に点在する、深喰による芸能紋は昭和二年十二月三十日に浅草〜上野間が東洋で初めて地下鉄として開通したとき誕生した。当時日本一の繁華街として賑わった浅草への玄関口に趣をそえるため、設計を担当した今井兼次早大名誉教授(当時)がデザインしたもので住時をしのばせる歌舞伎、新派等、花形役者の家紋ばかりを集めている。

 俳慢名盤(杉岡文楽老大正十四年発行)の資料による。

つい昭和2年の文字をみると帝都物語を思い出してしまうのです。実際は、地下鉄の父と呼ばれる早川徳次氏が執念で1927年(昭和2年)に浅草-上野で東洋で初の地下鉄を開通させたのですがf:id:kaccinster:20240416214618j:image この人物の執念は感動ものです。実際、社会人になって自分が東南アジア各地の地下鉄工事に関わる中、早川徳次氏の事を知りその情熱に魅了されました。以上、本日の田原町駅でフラッシュバックした思い出でした。