うだつ食堂

早稲田のリーガロイヤルホテルの向かいに有る「うだつ食堂」に行って来ました。都内で”徳島ラーメン”が食べられる数少ないお店とは聞いていましたが、今回初めて訪れました。店名の”うだつ(卯建)”は、屋根のついた小さい壁で1 階屋根と2階屋根の間に取付けられて居るもので、店頭を飾るうだつは、徳島県美馬市脇町の町並みのうだつをモチーフにしたそうです。 f:id:kaccinster:20240108223804j:image さて、徳島ラーメンですが、最大の特徴は、チャーシューの代わりに甘辛く煮付けた薄切りの豚バラ肉をトッピングして居る事だと事前学習して、胸をときめかせ「汁そば」を注文しました。f:id:kaccinster:20240108223832j:image 頂いてみると豚骨のマイルドさと醤油のコクがほどよくブレンドされていて、トッピングされて居る生卵とバラ肉、ニンニクを良く混ぜ合わせて頂きましたが、えも言えぬおいしさでした。f:id:kaccinster:20240108223910j:image 店内の大型ディスプレイでは徳島の紹介が映されて居ましたが、徳島ラーメン誕生の背景をやや理解できたので、ご披露します。時を遡る事、大正三年、第一次世界大戦下、徳島の板東村に 約千名のドイツ兵俘虜収容所が開設されました。着任した収容所長、松江豊寿中佐(会津若松出身)は 部下を前に「彼らは決して犯罪者ではない。 祖国のために命を懸け戦った勇敢な戦士である。 丁重に扱え」と命じ可能な限り自由な活動を許したそうです。周辺の村人達も親しみを込め「ドイツさん」と呼び 農作物を頻繁に差し入れるなど親身に世話をしました。この交流から、数々の独文化が紹介され代表的な2つが、オーケストラとハム作りです。音楽の方は年末の第九に受け継がれ、ハムの食品加工技術は日本ハムとして残されました。そしてハムの製造過程で出る大量の豚ガラが市中に安価で 供給されたおかげで濃厚な徳島ラーメンが誕生したとの事です。歴史に思いを馳せつつ、舌鼓を打った楽しいお食事でした。