利根運河・ムルデル技師

大好きな利根運河周辺を散策して改めて運河の歴史に想いを馳せました。まずは、ランチです。運河 寿司 伊澤屋 - Kaccinのひとり言運河駅から線路沿いに北方向、ムルデル記念通りです。f:id:kaccinster:20240212203839j:image ムルデルは利根運河を設計・監督したオランダ人技師です。運河は江戸川と利根川を結ぶ全長8.5km、明治23年(1890年)に完成しました。ムルデルの業績を記念して、延長約150mのムルデル記念通りと名付けられ通りの先はすぐに利根運河となって居ます。f:id:kaccinster:20240212203956j:image ホント大好きな運河なのでムルデルについて調べてみました。彼は明治時代お雇い外国人として来日し実に多くの港湾や河川事業に携わりました。例を挙げると新潟港・信濃川改修、東京港富山県の河川改修、函館港、熊本港と枚挙のいとまが有りませんが、彼は計画・設計がメインだったので、やや地味な印象ですが本国オランダでは、スエズ運河と日本での業績、本国で発表された論文を併せて、他のオランダ出身のお雇い外国人たちより高い評価がされています。そして、利根運河は彼が設計し現場監督まで直接行った数少ない案件です。運河にも彼の顕彰碑が有ります。f:id:kaccinster:20240212204329j:image
f:id:kaccinster:20240212204325j:image ムルデルは、現地を調査し、谷津や沼など自然の地形を生かした運河を設計しました。建設工事は明治21年から23年まで1年10か月、のべ220万人の人が工事に従事したと言われています。工事は、クワやツルハシで堀って、出た土をモッコで担いで運び、ほぼ人力だけで掘り進められました。明治23年3月25日から営業を始め、5月にはすべての工事を終え、6月18日に竣工式が行われました。運河を歩くと、脳裏に往時の風景が蘇ります。f:id:kaccinster:20240212204605j:image この運河も鉄道の発達に伴い役割を終えたのですが、この風景は土木遺産としていつまでも残して欲しいものです。