海の東南アジア史

子供の頃からの濫読のせいか、本を読むスピードが速くて、小説などは一晩で読んでしまう事も少なくありません。そんな中で連休前からじっくり読んだ本を紹介します。f:id:kaccinster:20230504081442j:imageサブタイトルに“港市・女性・外来者”とあります。内容は幅広く東南アジア史を研究してサブタイトルの観点で分析を試みています。色々気付かされたのですが、大きく理解が深まった事を書いてみます。アジアで植民地とならなかったのは、泰、日本だけです。今までの自分の理解では南米等と同じ様に欧米が近代兵器を持って攻め込むか、先遣隊として牧師を送り信者を募り、その信者が為政者と紛争起こし、それを納める種に攻撃しやがて征服するパターンだと漠然と思ってました。ところが、この本で著して居る歴史では、そんな単純では有りませんでした。要約すると、まず貿易が始まりその後、現地の為政者が私利私欲で欧米勢力に利権を与え、やがて合同統治の様なかたちを経て植民地化されてしまうのでした。日本が植民地とならなかった理由は武力に優れ、キリスト教を入れなかった事だと思ってましたが、改めて織田信長豊臣秀吉徳川家康の凄さを再認識しました。うまく纏められませんが、アジアの国々と長く貿易に携わって来た身としては、もっと早くこの本に出会いたかったと思いました。