バリトンとアルトの競演

友人に誘われ音楽の友ホールで開催のコンサートに行ってきました。f:id:kaccinster:20230526230537j:imageバリトンハンガリー出身のアッティラ・レーティ氏、何度も来日し、オペラでも活躍する大柄な美丈夫でした。朗々と歌いあげるスタイルです。聴きながら南米やアジアを征服して行った植民地時代のスペインやポルトガルが掲げる獸性資本主義が脳裏に浮かびました。名前のアッティラからフン族の大王がイメージされ、その繋がりで浮かんだのかも知れません。一方アルトの古畑喜代美さんは、バリトンと比べるからかも知れませんが、小柄な日本女性で声も細く大丈夫かなぁと言う第一部でした。このコンサートは私なんかでも馴染み深い選曲です。シューベルトののばらや魔王、デ・クルティスの帰れソレントへビゼーのオペラ・カルメンに出て来る曲等々です。第二部では、古畑さん前半の緊張が解けたのか、朗々と歌いバリトンと歌い負けて居ませんでした。デユエットで歌った時もしっかり声が出て居ました。彼女のキャリアを拝見すると小学校の先生から始まって志を貫いて現在に至った様ですが、一つのことに打ち込んでいらっしゃる姿は美しかったです。前半の心配が嘘の様な後半、素晴らしかったです。