65万人を救った医師

アフガニスタンで亡くなった中村医師の業績を語り継ぐ映画の上映会に行ってきました。映画が残された映像を編集し室井滋さんのナレーションで1時間弱の作品でいたが、簡潔に要点を紹介した良い作品でした。f:id:kaccinster:20230925083626j:image ニュース等で彼の数々の業績はご覧になっていると思います。 彼は1991年、医師として派遣されていたパキスタンから、隣国アフガニスタンの険しい山岳地帯ダラエヌール地区に初の診療所を作り、多くの人の命を救っていましたが、「この国ではどうして毎日患者が増えるのだろう。問題はどこにあるのだろう」と自問する中で、たどり着いた答えは、“水”でした。豊かに水が有れば衛生状態は改善され、同時に作物も収穫で来ると、広大な砂漠と荒地が広がるアフガニスタンで考えました。さっそく独学で土木技術を学び、ヒマラヤから雪解け水が流れるクナ-ル川に目をつけ取水、用水路建設に取り掛かりました。従前から国際援助の一環としてヨーロッパのNGOも水路やコンクリート構造物を作っていました。しかし先進国の技術で作っても、現地の人はアフターメンテナンスができない実態が有りました。アフガニスタンは石の文化ということもあり、中村医師は針金で編んだ籠に石を詰めて形作る“蛇籠工”を用いることで、壊れたとしても現地で修復できる工法に徹底してこだわりました。途中のトラブルや苦労は映画に譲りますが、現在では水路周辺役1万6千ヘクタールが緑化され、約65万人の自給自足が可能になっています。素晴らしい偉業を簡潔に紹介してくれた映画に感謝です。