――オリジナルと日本版、その違いが面白い
日本版『私の夫と結婚して』があまりに良かったので、つい勢いでオリジナルの韓国版(全16話)にも手を伸ばしてしまった。

結論から言えば、個人的には日本版の方が好みである。
理由は明確で、タイムスリップものにつきものの“タイムパラドックス”の収め方が、日本版のほうがずっとスマートだからだ。

韓国版も10話あたりまでは、日本版とかなり近い展開で進む。しかしそこから最終話に向けて、物語は一気に情念ドロドロ系へと舵を切る。復讐、怨念、裏切りが重なり合う、いわば“復讐劇”の様相を呈してくる。
そこには、いかにも韓国ドラマらしい定番要素がしっかり詰め込まれている。
美女。
財閥の御曹司。
腐敗した司法。
根深い怨念。
そして、社会に残る因習。
これらが惜しげもなく投入され、「感情の振り切り方」で視聴者を引っ張っていく構成だ。人気が出たのも納得できる。

一方で、日本人的な感覚からすると「いや、会社でそんなこと起きないでしょう」と突っ込みたくなる場面も多く、そのあたりも含めて“韓ドラらしさ”を感じさせる。
日本版が、伏線回収と余韻を重視した整理された物語だとすれば、韓国版は感情の奔流で押し切るタイプの作品と言えるかもしれない。
どちらが優れているというより、文化の違いがそのままドラマの作りに表れているのが興味深い。
とはいえ、韓国版もしっかり最後まで楽しませてもらった。
同じ原作でも、国が変わるとここまで表現が変わる――その比較自体が、今回の最大の収穫だったように思う。