インドネシアの友人から、コピ・ルアクのコーヒーをいただいた。
実はこれ、以前にも一度口にしたことがある。しかし今回、久しぶりに改めて飲んでみると、その印象はずいぶん違っていた。ひと口目から立ち上がる香りが繊細で、雑味がなく、どこか気品すら感じさせる。やはり「極上」と呼ばれる所以は伊達ではない。

「コピ」はインドネシア語でコーヒー、「ルアク」はマレージャコウネコの現地名だ。つまりコピ・ルアクとは、このジャコウネコが食べたコーヒー豆が体内で自然発酵し、未消化のまま排出されたものを精製して作られる、極めて特殊なコーヒーである。
その製法ゆえ希少性は高く、価格も高価だ。
ベトナムにも「イタチコーヒー」と呼ばれる同系統のコーヒーが存在するが、近年では動物愛護の観点や、真贋入り混じった市場の混乱もあり、現在は人為的に発酵工程を再現したものが主流になっていると聞く。時代の要請とはいえ、少し複雑な気持ちにもなる。
さて、今回いただいたコーヒーだが、まずパッケージからして只者ではない。

「Kampeni Coffee Premium」と記された直方体の箱は、高級感に満ちている。中を開けると、さらに円筒形の容器が現れ、まるで宝石箱を開けるような感覚だ。
メーカーの公式サイトには、次のような説明があった。
“プレミアムパッケージで高級ブランドイメージを演出。
アラビカ・ルワックコーヒー250gは、高級な贈り物や記念品に最適な選択肢です。
エレガントな黒のソフトボックスに収められた複合缶パッケージは、印刷された認証書付きで、受け取った方に忘れられないプレミアムな印象を保証します。”
なるほど、言葉通りの佇まいである。

さっそく豆を22g挽き、350mlのお湯でドリップして淹れてみた。
口に含むと、柔らかな飲み心地とともに、フローラルな香りの余韻が長く残る。強さや苦味で主張するタイプではなく、静かに広がり、静かに消えていく味わいだ。

それはまるで、トロピカルフォレストの奥深く、木漏れ日の差す場所で一息ついているかのような清涼感と安らぎだった。
コーヒーという飲み物が、ここまで「風景」を連れてくることもあるのだと、改めて感じさせられた一杯である。