朝鮮出兵の分捕り品

ほとんど知識が無いのですが、極めて数奇な運命をたどった藤堂高虎朝鮮出兵の際に持ち帰った石像が子孫である津藩主の家の江戸下屋敷に保管されたものが、板橋区の下赤塚に有る乗蓮寺に移設されている事を知り行って来ました。f:id:kaccinster:20240825225827j:image 下屋敷について書かれて古文書には次の記述が有りました。“ 其の尤奇なるは各種の石像なり。布袋、文珠、奪衣婆、不動地蔵、役小角、夷大黒、鐵拐仙人等の像あり。大なるは高さ一文丈二三尺、小なるも三四尺に下らず。” どんな石像なんだろうと想像が膨らみます。8体有る様です。 「天邪鬼(がまんの鬼)」の他、「鉄拐仙人」、「奪衣婆(婆々)」、「役行者(小角)」です。ひとつひとつ探してみました。四つはすぐ分かりました。奇っ怪なる奪衣婆です。f:id:kaccinster:20240825225940j:image 奪衣婆(だつえば)は、三途川(葬頭河)で亡者の衣服を剥ぎ取る老婆の鬼です。次ががまんの鬼です。f:id:kaccinster:20240825230014j:imageこれは別名、日本では天邪鬼です。仏教では人間の煩悩を表す象徴として、四天王や執金剛神に踏みつけられている悪鬼、また四天王の一である毘沙門天像の鎧の腹部にある鬼面とも称されます。鬼の次は文殊菩薩です。f:id:kaccinster:20240825230214j:image 大乗仏教で崇拝される知恵を司る仏です。最後が役小角(えんのおずぬ)です。f:id:kaccinster:20240825230834j:image 飛鳥時代の呪術者だと思いますが、これが朝鮮に有ったのか、やや疑問ですが、伝奇小説に出てきてミステリアスです。これら石像を置いて居る、乗蓮寺も一見の価値有りです。f:id:kaccinster:20240825233228j:image 石像以外にも沢山の刺激を頂きました。ここ2年近郊野間寺社仏閣見ていますが、ここ凄かったです。